ベトナム特集ニュース
「児童文化会館、青年文化会館、婦人文化会館はあるのに、なぜ高齢者を対象とした会館はないの?」 そんな疑問が高齢者専門のサービス会社「ナンソム」を設立するきっかけだった。設立したのは現役の21歳の女子大生グエン・ティ・カイン・バンだ。そのアイデアは彼女の両親とその友人の会話を聞いて浮かんだという。高齢者たちの長寿を祝福する会を開きたいが、どこで開いて記念品に何を贈ればふさわしいのか分からないという内容だった。
金のベルを贈るだけなら話は簡単だ。しかしバンは「記念品は他のものではいけないのかしら。家族も出席できる祝福の会を開けないものかしら」と考えた。彼女はすぐに部屋に戻って思いついたプランをノートに記し始めた。目標は高齢者向けの物品販売、サービス提供、イベント開催(例えば観光ツアー、パーティー、誕生会など)を行う会社の設立だ。両親の応援を受けながらバンは3カ月かけてプランを練り上げた。この間にも彼女は高齢者の集まりに参加したり一緒に出かけたりして、彼らの心理や要求などを理解しようと努めた。
そして昨年5月、ベトナム商工会議所(VCCI)、外務省、在ベトナム日本国大使館が共催した学生起業コンテストに応募し、バンは3位を受賞した。こうして21歳の女子大生社長が誕生した。「社名の"ナンソム"は朝一番にさす光のことです。このプランを考えついたときは、まさにその光が差すようでした」とバンは言う。しかし、プランを実現させるまでには多くの困難を乗り越えなければならなかった。当初見込んでいた経費は数千万ドン(数十万円)だったが、実際には10倍近くまで膨れ上がった。朝から晩まで働く日々が続いたという。
ナンソム社は今年10月ホーチミン市ビンタイン区に高齢者たちの憩いの場として「バックニエンホイクアン(百年会館)」をオープンした。ここでは茶道、書道、生け花などの無料教室や、高齢者のためのインターネット教室やお化粧教室が開かれている。また彼らの興味を引きそうな話題をテーマにお話の会なども催されているという。
笑顔がすてきな「有言実行」の若き女性社長は、高齢者たちの生活をより生き生きしたものとするため、今日も努力を惜しまない。
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